経営コンサルタントとして名高い大前研一さんの
稼ぐ力 – 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方
を読んでみました。
いや恥ずかしながら、実は最近まで私は大前研一さんを
全く知りませんでした ^^;
(ビジネスの大先輩から「大前研一は抑えとけ!」と強く勧められて知りました)
大前さんはビジネスの世界では神的存在で、
ビジネス界のゴッドじいちゃん
と呼ばれているとか、いないとか。。。
その大前研一さんが語る「稼ぐ力」とは。
以下、私の感想を簡単にまとめます。
まえがき 一人一人の「稼ぐ力」が問われている
今、日本では「自立」志向の若者が増えているという。私も(若者ではないけれど)会社に依存せず、いつか自立しよう考えている者の一人です。
それに対して大前氏は、「なにも会社から離れて、独立・起業することはない」「会社に所属していても会社に寄りかからずに生きて行く」ことをすすめています。
社員一人一人の能力と成果、「稼ぐ力」が厳しく問われる時代になってきた。会社にしがみつくのではなく、「自立」して働くことができるようになれば、世界のどこでも生きていける。
「必要とされる人材」となるため、「稼ぐ力」を鍛えるには何をすればいいのか。
本編部分 全5章
目次の文面はこんな感じ。
- 第1章:現状認識 Part1 日本企業は今、何に苦しんでいるのか
- 第2章:現状認識 Part2 これからの日本企業に必要な人材とは
- 第3章:<新しい働き方研究>世代別「稼ぐ力」をどう鍛えるか
- 第4章:<企業経営分析>産業”突然死”に備えるケース・スタディ
- 第5章:<人材教育>求む!日本と日本企業を強くする新世代人
政治の話、日本経済の批評、日本のトップ企業の批評など多数。自分には難しい言葉、内容がたくさん続いたため、ざっくり流し読みしてしまいました^^;。大前氏の日本と日本企業をどうにかしたいという熱意だけは、ガツンと心に響きました。
流し読みしてしまった本編の中で注目したのは、
「大卒程度の能力では食べていけない」
という一文。
今後、10~20年後には消える業種も多く(ナレッジワークはほぼAIに置き換わると言われていたりする)、激変するビジネスの現場で生き残るためには、だれもが変わり続けなければならない時代が到来している。
先進国では、社会人になった後に大学・大学院でMBAなどの新しいスキルを勉強するが、日本は大学を卒業したら勉強はそこで終了。そのスキルだけで一生食べていこうとする人が圧倒的に多い。
大学・大学院入学者に占める社会人の割合は、アメリカ23%、イギリス20%に対し、日本はわずか2%。日本人はのんき過ぎ。。。2030年には「稼げる人」と「稼げない人」の二極化が進むと述べています。
2030年に稼げるビジネススキル
[ハードスキル]
- 会計
- 財務
- マーケティング理論
- 統計学
[ソフトスキル]
- 民族・国籍・文化・言語・宗教の違う人たちとのコミュニケーション能力
- 英語!
今の日本では「大学を卒業したら勉強し直さないのが当たり前」という風潮があるが、スキルアップのために専門的なことや新しいことを勉強しないと、個人としても、企業としても、国としても「格差」が拡大していく。
社会人になっても、インプットを続けなければ、2030年には仕事が無くなってしまうかもしれません。会社勤めにあぐらをかかず、能力を磨くことがとても重要(会社勤めしながらビジネススキルアップの勉強としては、今私が受講中の次世代起業家セミナーはうってつけだと思います)。
あとがき この国をダメにした「偏差値」を廃止せよ
偏差値は単なる学力の物差しではない。偏差値はお上が従順な国民をつくるために導入された(国にも、アメリカにも逆らわないように)。
導入時期:1960年代、大学闘争が活発化してた頃
偏差値がもたらす大きな問題(効果)2つ
- 自分の身のほどを自分で決めてしまう→何事も予定調和でやろうとし、大胆なチャレンジをしなくなる
- そこそこ高い偏差値を取ると自分が優秀だと思い込み(中学、高校という人生の極めて限られた時点で取った数値なのに!)、その後、努力しなくなる。
偏差値が高かった人
→ 仕事が2倍、3倍に増えただけで出世もしないし、給料日も増えないという状況の中で、疲れ果てて燃え尽きる。
偏差値が低かった人
→ そこまで仕事を頑張らず、適当にこなそうとし、すぐに諦める。
偏差値が真ん中くらいの人
→ 上司から怒られたり、認められなかったりして「うつ」や「無気力」に陥りやすい
偏差値を知らなければ
明日にも能力が落ちるかも知れないという危機感を持ち、常に新しい情報や知識をインプットしながら、今世界で何が起こっているかを分析し続ける。
日本人がかつての変勇、アンビジョン、気概を取り戻して日本が再び元気になるためには、今すぐ偏差値教育をやめるべきだ!
北欧のような21世紀型教育移行すべき
- 集団教育ではなく、個人教育
- 児童、生徒が持っている最も将来有望な能力を伸ばす(音楽やスポーツの世界でそうしているように)
- 全国一律の指導要領で平均レベルを維持するような教育はやめる
- 均質化教育は百害あって一利なし
日本に活力やダイナミズムを取り戻したい、能力ある日本人を一人でも多く生み出して世界で活躍させたいと望むなら、偏差値教育という旧弊を捨て去るしかない。
大前氏の強い意志が伝わってくるあとがき。従順なサラリーマンが美徳とされる日本文化の根源は、この偏差値教育にあるような気がします。激しく同意したので、このあとがきが一番心に残りました^^;
「稼ぐ力」まとめ
2030年のビジネス現場では、英語でコミュニケーションを行うのが当たり前になるとか。これは会社に所属していようがいまいが、関係なく必要になるスキルでしょう。
これからの10年を
「どうしよう…」
と不安な気持ちで過ごすのか、
「よし!この10年の間にスキルアップするぞ!」
と前向きに勉強するのか。
どう過ごすのかは、わたしたち次第です。
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